アパートは築年数が経つにつれて老朽化が進んでいきます。
長期間にわたって風雨や日照にさらされることによる経年劣化などです。
また、部屋の中の内装も使用感や傷み、色の変化などが起こります。
設備に関しても入居者の故意や過失がなくても、使用中に壊れたり調子が悪くなることがあります。
アパート経営を行う上で、入居者に選ばれるアパートを維持することは重要なことです。
生活を営む上で支障が無い状態でないと、入居者が集まりません。
アパート経営を行う上で建物に支障が出てきた場合にはリフォームを行う必要があります。
リフォームを行うにはある程度まとまった資金が必要になってきますが、適度にリフォームを行えば入居者にとって魅力度が増し、他のアパートとの差別化に繋がります。
今回はアパートのリフォームについて解説します。
なぜリフォームを行うのか?
アパートの築年数が何年か経過して、不便に思えることや設備が古くなってから、リフォームを考えるという方は少なくないでしょう。
リフォームを検討する時、インターネットや雑誌などに掲載されている施工事例を参考にしながら費用感を調べ始めるのではないでしょうか。
リフォームを行う時には、その目的を明確にしましょう。
アパート経営においてリフォームを行う大元の目的は「収益を出す」ことです。リフォームは事業として収益を出すための手段の一つです。
したがって、収益を出すことを優先して改修内容を決める必要があります。
リフォーム内容の具体的な完成イメージや優先順位をしっかり持つことをせず、施工業者に相談をしてしまった場合、思いもよらぬ見積もりの金額を出されたり、過度なリフォームまで行って費用を請求されることもあります。
アパート経営におけるリフォームは「収益を出す」ことが目的なので、改修したいポイントの優先順位をきちんと付け、不要な改修を避け、入居者の確保と家賃負担を考えて判断しましょう。
築年数ごとに行うリフォームの内容
修繕が必要になるほどの傷みが出てくるまでの期間は、アパートの部位や資材によって異なります。
目に見えるほどの傷みが出てしまってからの修繕で対応をしていると、想定以上の費用がかかってしまったり、入居者が生活できず家賃収入が途絶えたりすることがあります。
アパートの部位ごとに修繕が必要になりそうなタイミングを把握して対応することで、費用対効果の高い効率的なリフォームができます。
続いてアパートの部位ごとにどのようなリフォームが必要になるか説明します。
外壁
外壁は10年ごとに塗装を行うのがいいでしょう。
ただし建物の向きや土地の気候、日照条件によって状態は変わります。
外壁には建物を支える構造物に水が入ることを防ぐ効果があります。
構造物の劣化が始まり、進行するとアパートの構造自体に関わる大規模な修繕が必要になり費用も高額になります。
そのため外壁は目に見える変化が起こる前にリフォームを実施しましょう。
屋根
屋根も外壁と同様、建物の構造を保護する役割があります。
屋根に使われている屋根素材の種類や気候によって傷みの進行具合は異なりますが、10年で塗り替えを行い、20年で張り替えを行うことが一般的です。
屋根は外壁と異なり自分の目で確認できない場所なので、外壁塗装と同じタイミングで業者にメンテナンスをお願いするのがいいでしょう。
水回り・コンロ・給湯器まわり
一般的には10年程度で不具合が出てきます。
日常生活で必要な設備なだけに、急に不具合が出たり調子が悪い状態が続くと、入居者の生活に支障が出てしまい、退去につながる可能性もあります。
水回りやガス回りの状態は、蛇口やコンロの状態を見て判断することは難しいです。
5年に一度定期点検を行うなどの予防を行いましょう。
壁紙・床
壁紙を張り替えるサイクルは特に決まったものはありません。大きな汚れや破れが出てきた時に張り替えましょう。
ただし壁紙は部屋の印象を大きく変える要素です。
時代の変化で入居者のターゲットが変わってきた場合には、思い切って壁紙を変えることで部屋のイメージを変えることができます。
床は沈み込みやへこみを発見した時、歩いて軋みが発生した時に床材の補修を検討しましょう。
水回り周辺の床材にへこみがある場合、水回りと条件が重なって異常がある可能性があります。
また軋みが発生する時には、下階の入居者の生活に支障を与えていることも。床材は違和感を抱いた時にはすぐ補修・交換するようにしましょう。
窓まわり
窓の立て付け部分をリフォームするタイミングは20〜30年です。
窓枠の歪みや摺動に違和感が出ている場合、簡単な調整で修正できる場合もありますが、ガラスが割れてしまったり隙間ができてしまった場合には交換が必要です。
手入れが必要な場所と時期を見極めてリフォームをしよう
今回はアパートのリフォームについて解説しました。
リフォームは小規模な補修レベルから間取りを変えるほどの工事まで様々なものがあります。
しかしあまりに大規模な修繕を行ってしまうと費用も膨大になるので、計画的に修繕資金を積み立てながら、必要な箇所だけをリフォームするようにしましょう。
またアパートの箇所によって手入れを行う適切な時期があります。
時期を逃すと、かえって修繕費用がかさんでしまい、建物の老朽化のスピードを早めることになります。
消耗する箇所については定期的な点検や補修を行うことで、建物の現状維持に努めましょう!