あなたはアパート経営を首都圏など都市部ではなく、地方で始めようとしていませんか?
地方でのアパート経営は、都市部と比べて需要が少なく、安易な気持ちで始めると失敗する可能性があります。
もしあなたが地方でアパート経営を検討しているのであれば、この記事をご一読ください。
今回は「アパート経営が地方で失敗する理由と成功させるためのコツ」について解説しています。
アパート建設が地方で急増しているわけ
アパート建設の工事を地方で見かけることが多くなりました。
地方でアパート建設が増えているのは、2015年の「相続税の増税」の影響です。
相続税の基礎控除が「5000万円+法定相続人の数×1000万円」から「3000万円+法定相続人の数×600万円」と4割削減してしまいました。
相続税の最高税率も50%から55%へと引き上げられています。
相続で特に節税対策が必要なのは土地です。土地は更地のままなら相続評価は100%になってしまいます。
一方、小規模宅地等の特例で賃貸住宅なら土地の相続評価は50%削減されることも。
2015年の相続税の基礎控除が4割削減され、土地の相続税を削減させるために、地方でアパートの乱立が起こっているというわけです。
アパート経営が地方で失敗しやすい理由
地方でアパートが乱立しているのは、相続税対策であることがわかりました。
では、なぜアパート経営が地方で失敗しやすいのでしょうか。
それは、
- 地方では空室が起きやすいこと
- 地方だとオーナーの目が届きにくいこと
- 相続税対策なので儲け度外視であること
以上の3つの理由が考えられます。
地方では空室が起きやすい
アパート経営が地方で失敗しやすい理由の1つ目は、空室が起きやすいことです。
地方でアパートを借りたい人口は、都市部に比べると多くありません。
地方でアパート経営を行うことは、少ないパイを巡って同業者と戦うことになります。
地方のアパート経営は入居者の方が強い立場なのです。
入居者は新築物件を好む傾向にあるので、建築して数年のアパートでも空室が起きやすくなります。
アパート経営を地方で行うなら、都市部よりも家賃の値崩れが起きやすく、空室が起きやすいことを念頭に置いておきましょう。
地方はオーナーの目が届きにくい
アパート経営が地方で失敗しやすい理由2つ目は、地方ではオーナーの目が届きにくいことです。
オーナーが都市部の在住の場合、地方にあるアパートの様子を見るためには電車や自動車で1時間以上かけて通う必要があることも。
時間がかかる場所にアパートがあると、こまめに通うのが難しくなるでしょう。
地方のアパートはオーナーの目が届きにくい傾向にあります。
アパートまで通っているうちにギブアップして管理会社に管理委託をしたとしましょう。
通う回数は減るかもしれませんが、管理会社が確実に管理をしてくれるのかはわかりません。
定期的に管理会社がアパート管理をしているかチェックする必要があります。
相続税対策が目的でアパート経営をしている
アパート経営が地方で失敗しやすい理由の3つ目は、アパート経営が片手間であることがあげられます。
相続税対策で建築したアパートの場合、専業の大家さんと比べるとアパート経営に対するモチベーションが低いことがあります。
「税金が低くなればいいや」という考え方の場合、思ったように稼げていない人が多いでしょう。
相続税対策でアパート経営を始める人はごくわずかなので、アパート経営で稼ぎたいなら参考にするべき例ではありません。
アパート経営を地方で成功させるコツ
アパート経営が地方で失敗しやすい理由は、
- 人口が少ないために空き家が多くなりやすいこと
- アパート管理中にオーナーの目が届きにくいこと
- 節税対策のために建設したアパートであること
が挙げられました。それでは、優良物件を見つけてアパート経営を地方で成功させるにはどうしたらいいでしょうか。
アパート経営を地方で成功させるなら、地の利を生かして足で稼ぐことが重要です。
確実にお買い得な優良物件を見つけることができれば、地方でも稼げるようになるでしょう。
地域の中心都市を狙う
アパート経営を地方で成功させるなら、地域の中心都市を狙いましょう。
同じ地方でも、中心都市なら人が集まりやすい傾向にあります。
ターミナル駅週辺のアパートやバス停の近く、もしくは大型ショッピングモール周辺を中心にアパートを見つけましょう。企業や大学などの通勤・通学者が多い地域を狙うのもオススメです。
インターネット以外の手段を使う
地方で優良物件を探す場合、インターネットで探すのはおすすめできません。
お買い得な情報があったときに、不動産物件を探している人を知っていたらインターネットにアップする前に情報を教えてあげますよね。
本当にお買い得な物件の場合、インターネット上に出る前に買い手が見つかってしまう可能性が高いのです。
インターネットを活用するなら、大まかにあたりをつけて実際の不動産屋へ行くのがいいでしょう。
足を使ってお買い得物件を見つける
地方で優良物件を探すなら、インターネットだけでなく自分の足で物件を探すことが重要です。
インターネットでの口コミやマップから離れて、実際に候補地に足を運んでみると
「ショッピングモールが思ったよりも繁盛していない」「高校生が電車よりもスクールバスで通学している」などインターネットではわからなかった情報が入ってきます。
はじめに考えていた候補地を変えることもあるでしょう。
アパート投資に対してマイナスになる地域を外していくと、ピッタリの物件に出会うことができるかもしれません。
不動産屋とよい関係を作る
アパート経営で優良物件を手に入れるためには、地元の不動産屋とよい関係を作る事が重要です。
優良物件の情報は不動産屋に集まってきます。
不動産屋に「本当にアパート経営をしたい」という情熱と予算を伝えましょう。
一度に情熱を伝えるだけでなく、こまめに不動産屋とコンタクトを取るようにすれば、不動産屋経由で良い情報を手に入れることができるでしょう。
新築アパートを建築する
優良物件ではなく、優良な土地を見つけることができた場合は新築アパートを建築することを考えましょう。
新築アパートは、中古物件に比べて入居者が入りやすい傾向にあります。
また、新築アパートなら入居者が求めている間取りにしやすいというメリットもあります。
リフォームする手間も省けるので、資金に余裕があれば新築アパートを検討しましょう。
建築年数が浅い物件をゲットする
地域の優良物件をいくつか見つけることができたら、建築年数の浅いアパートを見つけましょう。
建築年数で注意するべき点は1981年6月1日以降に建築確認を受けていること。
この日付は新耐震基準が発布されたタイミングです。
それ以降に建築されたアパートなら、耐震基準は新しくなっていると考えていいでしょう。
お買い得な中古物件を見つけることができたら、リフォームで魅力度を高めましょう。
特にトイレや台所などの水回りを中心にリフォームすると、壁紙を交換するよりも効率的にリフォームをすることができます。
アパート経営を地方で成功させるなら、水回りのリフォームを行いましょう。
アパート経営を地方で成功させるならコツコツやろう
アパート経営は地方で失敗しやすいと言われています。
しかし、どんな場所でもターゲットを想定し、きちんと計画を立てれば、入居者は集まってきます。
都市部で土地を探すよりも少しだけ丁寧に場所と物件選定をして、コツコツとアパート経営者を目指しましょう。