中古の一棟アパートを購入することを考えた時、中古の物件を取得して本当に収益が出るのか疑問に思ったことはありませんか?
アパートの物件情報を見て、「どうしてこの物件は売り出しているのだろう」とか「収益が出るのなら手放さないのではないか」とか。
中古物件を入手する時、土地と建物はセットで購入する必要があります。
土地と建物はどちらも不動産であり、どちらか一方だけを選んで購入することはできません。
「建物は気に入ったから、建物だけを移して別の土地でアパート経営したい」という訳にはいかないのです。
今回はアパート経営を行うにあたって土地から探して購入する方法について解説します。
収益を出すために有利な土地の立地条件と購入の判断基準について説明し、購入に当たって注意するべきポイントについても触れます。
アパート経営に適した土地とは?
土地の種類は大きく2つの軸で分けられます。
- 土地の立地が良いか/悪いか
- 土地の条件(間口、方向、日当たりなど)が良いか/悪いか」です。
立地も条件も良い物件は土地価格が高くなってしまいます。
アパート経営に適した土地とは、立地が良くて価格が安いことになります。
いくら立地が良くても入居者に人気のエリアでも、土地が高ければ投資の利回りは低くなり、アパート経営として収益を出すことは難しくなります。
もちろん良い条件の土地が幸運にも価格を抑えて購入することができればベストです。
しかしその様な土地はなかなか市場には出回りません。
そのためアパート経営で土地から購入する場合には、立地が良くて割安な土地を見つけることがポイントになります。
具体的には「不整形地」や「借地権付き」の土地になります。
土地探しからアパート経営を始める手順
土地から自分で探すメリットの一つは、不動産の取得コストを下げられることです。
建売のアパートを購入する場合、土地と建築費に合わせて仲介業者の利益が上乗せされており、土地と建物代に手数料が積み増しされているためです。
つまり、土地と建物を別々に購入するよりも割高になるのです。
土地から自分で取得する場合、建物も自分で建設会社に直接発注するので、仲介業者の手数料を削減することができます。
土地探しからアパート経営を始める手順は
- 土地を探す
- 土地の調査を行う
- 購入する土地の候補を決める
- 近隣付近に住んでいる人の属性を調査する
- アパートの入居者となるターゲットを決める
- アパートのコンセプトや間取り、戸数、設備を決める
- 建築を依頼する工務店を探して依頼する
- 不動産購入に伴う手数料を支払う
- 不動産の引き渡しを受ける
- 不動産購入に伴う手続きや税金を支払う
といった流れになります。
土地購入で注意するポイント
素人が土地から購入する場合には、購入する土地に関して十分情報収集をして理解しておく必要があります。
土地の状態を知らずに購入してしまうと、予想していない事態が起こり後々多くの費用が発生することも。
土地がアパートの建設に適さない場合として、下記のケースが挙げられます。
- 土地がゴミの埋立地で、ゴミの撤去に費用がかかる
- 地盤が脆弱で、アパートを建てるためには補強が必要
- 条例などで建築物の大きさに制約がある
この様なことは土地の素人ではなかなか判断がつきません。
また悪徳業者によっては、この様な説明を行うことなく、アパート経営を行う上で問題のある土地を勧めてくる場合もあります。
建て売りの物件を購入する場合には土地に関する問題はクリアされた状態で販売されてるので安心できますが、個人で土地を購入する場合には注意が必要です。
この様な事態を避けるためには事前に土地が売り出される背景や特徴について直に調べることが大切です。
また土地を購入する際の売買契約書で問題が起こった場合の費用負担を予防することができます。
売買契約書の文面で、「土地の問題が発覚した場合には、売主にて回復費用を負担する。もしくは契約を無効にして土地購入代金は返金する」という一文を入れておくと良いでしょう。
自分でアパート建築を行う時のリスク
自分で土地を購入する以外にも、自分でアパートを建築する場合には以下の様なリスクが存在します。
- 時間がかかる
- 話が前に進まない
あまり不動産による事業に詳しくない素人の方がアパートを建築しようとすると、不動産関係者や建築関係者、銀行関係者と話を一人で進めることになります。
しかし他に本業を持つ人にとっては、専門外のことを話して、まとめていくのは大変なことです。
話をする時間がなかなか取れないだけでなく、話が進まないといったこともあります。
自分でアパート建築まで行う方は、比較的時間を作らなければならないことを覚悟しましょう。
土地購入からのアパート経営に向いている人・向いていない人
土地を用意してまでアパート経営を行いたい人には、向き不向きがあります。
自己資金が少ないと、土地と新築を購入するための資金を用意できないですよね。
その場合、比較的安く流通している中古物件を購入することになるでしょう。
土地の購入から始めた方がいいのはこんな人
しかし資金のある投資家や土地オーナーは土地の購入からアパート経営を検討することが可能です。
また以下の様な条件に当てはまる方には、土地から購入するのがいいでしょう。
- 安く土地を手に入ることができる
- 理想のマンションを建てたい
物件情報が不動産業者に回り仲介が入ってしまうと、仲介業者の手数料が発生してしまいます。
また条件のいい物件は誰もが狙っており、競争が激しいです。
市場に出る前に土地のオーナーと人間関係を作っておいて、土地を売却するタイミングがきたら即断できる様にしましょう。
また自分の理想を叶えるための物件を作りたいなら、建物の仕様も自分で決める必要があります。
例えば高齢者向けのアパートを作りたいと思った時、外出が苦手な高齢者には、商業施設が無理なく歩ける徒歩圏内になることは絶対条件です。
操作が難しい設備の導入も、かえって邪魔になります。オートロックなどの設備は不要なのです。
また階段の上り下りや通路のバリアフリーも必須になります。
この様に社会的な使命を持った人のアパート経営は、自分で土地から建物まで用意する必要があります。
そのぶんニーズがはっきりしているので、ターゲットにうまくアプローチができれば、入居者は比較的早く見つかりやすいという特徴もあります。
新築は自分好みの物件に仕上げることができますが、初期投資が多額になり回収までに時間がかかります。
新築と中古物件のどちらもメリットとデメリットがあります。
どちらが自分に合っているのか、デメリットは自分で対処できるものなのかを考えて結論を出すのが良いでしょう。
いい土地を手に入れてアパート経営を始めよう!
今回はアパート経営を行うにあたって土地から探して購入する方法について解説しました。
収益を出すために有利な土地の立地条件と購入の判断基準について説明し、購入に当たって注意するべきポイントについても触れました。
土地から購入してアパート経営を始めるとなると、知識が必要になるだけではなく、普段からの人脈作り、ある程度生活に余裕があることが前提になってしまいます。
しかし独自の付加価値のあるアパートを所有して経営したい方には魅力的なものです。
アパート経営を行うことで実現したいことがある方は、ぜひ前向きに検討してください!