アパート経営は投資になるので確実に儲けが出るものではなく、不確実性(リスク)が存在します。
将来、不動産の収益にどの様なトラブルが起こり、どんなリスクが発生するかは誰にもわかりません。アパート経営で想定される厄介ごとや、その影響について事前に把握したい方も多いのではないでしょうか?
多額の資金を投資して手に入れたアパートで損をしないためにも、事前にリスクを把握しておくことは安定したアパート経営を実現する上で重要です。
今回はアパート経営におけるリスクとその対策について解説します。
想定されるアパート経営のリスク
一般的にはアパート経営では以下のリスクが想定されます。
- 地震リスク
- 火災リスク
- 空室リスク
- 賃貸滞納リスク
- 金利上昇リスク
- 倒産リスク
- 修繕リスク
それぞれのリスクと対策について解説していきます。
地震リスク
日本において地震を避けることは難しいでしょう。
近年の建物は耐震基準が強化されているため、ある程度倒壊に対する耐久性は確保されています。
建物が新しい耐震基準を満たしているか確認しましょう。
耐震基準に不安がある場合、リフォームを行えば良いと考える方もいるかもしれません。
しかしリフォームを行ったとしても、必ずしも建物の耐震性まで向上するとは限りません。
基礎がしっかりとしたアパートを選びましょう。
また万が一アパートが倒壊してしまう可能性に備えて、地震保険に加入することも必要です。
地震や台風など稀に発生する自然災害は防ぐことができません。
しかしアパートに住むことができなくなってしまえば、家賃収入も途絶えてしまいます。
災害が起きた場合でも被害を最小限に抑えて損害を補填できる様にしておきましょう。
火災リスク
アパートはマンションと違って木造で作られることが多いので、コンクリートで作られた建物と比較して燃えやすいという特徴があります。
しかし地震における耐震基準と同様、アパートにも火災における耐久性を明確にした耐火基準があります。
耐火基準の項目を把握して、購入を検討しているアパートが基準を満たしているかどうか確認しましょう。
火事はアパートの室内で発生する場合だけでなく、アパートの共有部分や周囲の火災に巻き込まれて被災してしまうこともあります。
「ゴミ捨て場所は建物と少し離す」「共有部分での喫煙は禁止する」といった対策を行うことで火災の要因を減らしていきましょう。
また地震の保険と合わせて、火災保険にも加入しておきましょう。
空室リスク
アパートは入居者がいて初めて家賃収入が得られます。
満室の状態で家賃収入は最大になり、空室が出ると期待した家賃収入は下がってしまいます。
返済を行う上でも、空室率は一定以下に抑える必要があります。
空室を減らすためには、
- 入居者を集めるために看板などでPRをする
- 不動産管理会社に募集を委託する
といった活動が必要です。
しかし長期的なスパンで見ると、
- 入居者にとって魅力的な状態に維持・変化させる
ことも重要です。
アパートの周辺環境は時代とともに変化します。入居者のニーズについても同様です。
時代の変化を読み取り、常に入居者のニーズに合うアパートを提供することを意識しましょう。
賃貸滞納リスク
アパートが満室でも家賃を滞納する入居者がいると家賃収入は減ってしまい、部屋が空室と同じ状態になってしまいます。
また家賃滞納者が長期間にわたって入居し続けると、入居者へ家賃を催促する労力や時間を費やすことになります。
多くの場合は「家賃の支払いを一時的に忘れていた」だけのことが多いです。
契約時に交わした家賃の支払い方法や毎月得られるはずの入金額をリスト化しておきましょう。
また毎月家賃の支払いに指定している銀行口座の入金状況を確認しておく様にしましょう。
ただし、長期に渡って家賃未払いの状態が続き、改善の余地がなさそうな悪質な入居者に対しては法的な対応が必要になってきます。
滞納が続いた時の対処について契約書に盛り込んだり、家賃未払いの入居者が現れた場合の法的な対応方法についてセミナーで専門家の話を聞くなどの学習をしておきましょう。
金利上昇リスク
多くの方は、アパートを銀行からの融資を受けて購入することになるかと思います。
融資を受けた時の注意点として、変動金利を選んだ時には注意が必要です。
返済期間中の金利が一定の固定金利とは異なり、変動金利は市場の状況の変化と合わせて変わります。
最初に融資を受ける時の金利は、固定金利の方が変動金利よりも高く設定されています。
しかし時間の経過とともに変動金利は変わります。
場合によっては融資を受けた際の固定金利よりも高くなる場合もあるでしょう。
融資を変動金利にすると、金利の変化は不確定要素になります。
変動金利で融資を受ける場合には
- 金利の変動幅を返済計画に盛り込む
- 融資の期間を短めに設定して、時間の経過による変動金利の影響を少なくする
といった対策が有効です。
倒産リスク
アパート管理を業者に委託していた場合、管理会社が倒産してしまうとアパート経営が続けることは難しくなってしまいます。
特にアパートの賃貸業務を一括で請け負うサブリース契約をしていた場合、管理会社が倒産してしまうとアパート経営そのものが続けられなくなってしまいます。
また、入金前の家賃収入を持ち逃げされるケースもあります。
収入が一時的に途絶えてしまっても、銀行への融資の返済はなくなりません。
最悪の場合、自宅まで差し押さえられることもあります。
対策としては、
- なるべく管理は自分で行う
- 管理を委託する場合には信頼できる管理会社を見極める
ことが必要です。
修繕リスク
修繕リスクとは建物や共有部分の老朽化、設備の故障などで突発的に費用が発生してしまうことです。
建物や設備は経年変化で劣化したり故障したりすることは避けられません。
対策としては
- なるべく新しい物件を購入する
- 月々の管理費で修繕費を積み立てておく
- 修繕が必要になりそうな箇所はこまめにチェックする
といった方法が有効です。
対策をすることでリスクは減らせる
アパート経営はミドルリスク・ミドルリターンの投資になります。
そのため、投資の難易度としては少々高いものになります。
アパート経営に興味があり、アパートに投資をして資産運用を行うのであれば、覚悟を持って始めることが大切です。
まずはアパート経営や不動産投資に関する情報を集めて知識を付け、アパート経営のリスクを知りましょう。
リスクを理解して対策を行えば、安定したアパート経営を行うことができます。
逆に対策方法がわからない、自分で解決する糸口が見つけられない場合には、アパート経営を一旦考え直す必要があります。
事前の予防がリスクに対する一番の対策
今回はアパート経営におけるリスクとその対策について解説しました。
リスクが顕在化して問題が発生してしまうと、問題を解決するための時間や労力、費用がかかってしまいます。
リスクを理解して問題となる前に対処する様にしましょう!