アパート経営をするにあたって一般的には融資は不可欠です。
もちろん全額を手元資金で出せればいいですが、そこまでお金があることはないですよね。
ただ融資でお金を借りる経験なんて普段の生活ですることなんてないですし、利率ってどの程度が一般的なのか、も分からないはず。
ネットで調べても正直そこまで情報があまりなく、適正な融資の金利を知ることができなかったので、私自身がアパート経営で実際に借りた金額と利率を公開することにしました。
アパート経営のためにアパートを建築費用を融資で調達しようと考えているかたはぜひ参考にしてみてくださいね。
地域の銀行から借りました
まず融資の借入ですが、地域にある銀行(いわゆる地銀ですね)から借りました。
銀行の選び方ですが、アパート経営をするにあたって不動産投資会社を挟むのであれば「不動産投資会社が紹介してくれる」はずです。
もし不動産投資会社を挟まないとしたら自分自身で探していくことになりますが、お金を貸すことが銀行の仕事なので連絡すれば返事は必ずあるでしょう。
私自身は元々繋がりもあったので、アパート経営をすることを伝え、話はスムーズに進みました。
借入金額は4,500万円。
利率は固定金利1.7%+信用保証協会付き
早速、私のアパート経営の融資情報を公開しますね。
まず「借入金額は4,500万円」になります。
アパート建築費用の総額は5,500万円になるのですが、設計費用は既に支払いをしていたため設計費用は自己資金にて支払いました。
また、土地代は上記とは別で同様に自己資金にて支払い済みです。
融資の利率は「固定金利1.7%」でした
この金利が高いかどうかですが、一般的なのかなと思います。
参考までに、
- 消費者金融のアコムの金利は3%~18%(少額だと18%,高額だと3%)
- 不動産担保ローンは2%~10%
- マイホームの住宅ローンは0.5%~2.0%
となります。
「住宅ローンが0.5%」と安いのですが、住宅ローンは基本的に自分や家族が住む住居のためのローンなのでアパート経営では使うことはできません。
※マイホームならずっと住み続ける可能性が高く、貸し手としては安心できるので金利が安くなります
アパート経営の場合は住人がずっと住み続ける可能性が高いわけではなく投資目的であることから金利は住宅ローンより高くなります。
不動産担保ローンとは自宅や土地などの不動産を担保にお金を借りることができるローンで、アパート経営の場合はアパートを担保に入れる形で借りるとしたら「不動産担保ローン」と言えます。
不動産担保ローンですとおおよその目安として2%~10%と幅は広いのですが、この程度の利率が目安になります。
知り合いの金利は・・?
周りで不動産投資やアパート経営をしている知り合いの利率を聞くと、金利1%前半のかたもいたので、金利1%台であれば一般的で高くはないと思います。
1%を下回るとしたら住宅ローンと大差がないので本当に安いですね。。
2%を超えるとしたらやや高いな、、となるので、他の銀行にも相談してみるなどしてみるといいかなと。
固定金利と変動金利の違いって?
言葉の通りで、固定金利は金利が固定となるので世界情勢が変わってお金の価値が変わっても金利は変わりません。
変動金利の場合はお金の価値に合わせて金利が変わる可能性があります。
例えば今は1万円といえば高額ですが、将来は水が1万円になるなど1万円の価値が今より1/100になる可能性も0ではないです。
そのときに金利が同じだと銀行としては損ですよね。雑に計算すると金利1.7%ですと170円しかもらえず、円の価値が1/100となると1.7円でしかないので。
世界のお金の価値に合わせて金利が変動するのが変動金利となります。
どちらがお得かと言えば一般的には固定金利ですね。
変動金利で金利が上がることはあっても今の日本情勢から考えて金利が下がることは考えにくいです。
プロパー融資は厳しく、信用保証協会が付きます
金利と合わせてかかる費用があり、信用保証協会の利率が別途かかります。
銀行が利息をもらってお金を貸すのでこれでお互い様じゃないか、と思うのですが、銀行としては実績が少ない企業や人に対して、信用を保証してくれる存在がないとお金を貸せず、信用保証協会という存在を挟んで融資の契約を結ぶことになります。
銀行と融資契約を直接することをプロパー融資というのですが、初のアパート経営で初めての融資であればプロパー融資は難しいでしょう。
信用保証協会の利率は1.0%
信用保証協会の利率は信用保証協会が物件や融資内容を見て判断するので金額が一律で決まっているわけでありません。
保証料率の審査基準は全て公開されているわけではありませんが、料率区分は公開されています。
参考記事)保証料計算シミュレーション
「保証料は0.39~2.2%」となるのでもちろん安いわけではありませんが、金額としては1%前後だと思っているといいでしょう。
今回の信用保証料率は「1%」でした
そして、今回のアパート建築費用の融資に対する「信用保証料率は1%」でした。
金額でいうと総額「約250万円」ですね。
※信用保証料は融資と違ってお金を借りているわけではないので金利とごっちゃにしないようにご注意を
計算方法がややこしく1%=総額の1%ではなくてややこしいので信用保証協会の計算シミュレーションを使うのをおすすめします。
参考URL)『保証料計算シミュレーション』
こちらを融資実行時に一括払いするか、分割払いで払っていくか、を選択し、支払いをしていくことになります。
金額も大きいですし、分割払いで払うことをおすすめします。
そして、銀行とはまた違った機関に250万円も渡すことになると思うと、結構高いですよね。。
固定金利1.7%だと「毎月40~46万円」の返済
では具体的に毎月どの程度の返済になるか、についてまとめておきます。
アパート建築費用4,500万円の融資ですが、10年間で返済予定で年ごとの推移を見てみると、
1年目:46万円
2年目:45万円
5年目:42万円
8年目:40万円
10年目:39万円
となります。
年数が経つにつれて金額が安くなっているのは返済をすることで元金が減り、利息の1.7%の金額が下がるためです。
アパートが満室になると80万円の収入になるので、簡単に言えば満室の状態がずっと続けばお得ですね。
そして11年目からは返済がなくなるので、そうなると大分プラスになります。
実際には「空きが出る」「修繕費用がかかる」といったこともあるので、それらを踏まえて収益性が適正かどうかを考えていくことになります。
アパート経営に対する融資の利息総額は「520万円」
今回のアパート建築費用の融資の利息総額を計算すると「520万円」となりました。
信用保証料を含めると「770万円」ですね。
月単位の返済金額でみるとあまり金額の大きさを感じないのですが、総額で見ると中々な金額の大きさになります。。
4,500万円を借りて、5,270万円で返すということですね。
利息は借入金額や金利が上がればもちろん大きくなりますので、融資が大きくなればなるほどもっと大きくなります。
借入金額が2倍になれば利息は2倍ではなく、2倍以上になるのでしっかり認識しておくことです。
アパートの利回りは一般より大分良いです
アパートの利回りに関してですが、「表面利回りが14.4%」と相当高い数字になっています。
「表面利回りと実質利回りの違い」や「アパートがどの程度稼げるか」はこちらの記事をどうぞ。
『アパート経営の利回りって?アパート経営って儲かるの?』
なぜ利回りがそんなに高いか、というと「土地代が安いから」です。
都心だと坪単価100万円なんて珍しくなく、最低でも50坪はないと厳しいかと思うのですが、土地代だけで5000万円かかるんですね。
私の場合は田舎の土地なので坪単価5万円と都心に対し5%以下の金額で購入することができています。
もちろん田舎だと人が集まるのか、という別の問題が発生するので、実質利回りはもっと下がりますしリスクは大分高いと思っています。
融資でかかる費用はその他に「銀行手数料」「登記費用」
参考までにアパート建築費用の融資を行った際にかかった費用としては、
- 銀行手数料:7.5万円
- 登記費用など:26万円
が別途かかりました。
総額4,500万円からしてみると小さいですが、普通に考えると高額ですよね。
銀行側も取引手数料などはさらっと進めるのですが、値下げができるわけではないのでしょうがないところだと思います。
アパート経営において融資の金利はとても大事
上述した通り、10年間で4,500万円の融資でも利息などの総額は「770万円」となります。
期間や金利、金額が上がればこの金額はもっと大きくなるため、金利が安ければそれだけで数百万円もお金が浮くとなるととても大きいです。
家賃収入が入っても返済金額のほうが大きくなれば、どうやっても稼ぐことはできませんからね。。
アパート経営を検討しているかたは、アパートの収益性を考えるのはもちろんのこと、銀行融資の金利が適正かどうか、をしっかり見極めていってくださいね。
この金利が高いかどうか分からない、などあれば気軽にtwitterにてご連絡どうぞ。
twitter:池オーナー@田舎でアパート経営 @ike_apartowner