アパート経営

アパートの入居率も上がる?アパートの防犯対策とは

警察庁が発表したデータによると、空き巣や不法侵入、強盗といった侵入犯罪はこの10年間で減少傾向にあります。

しかし侵入犯罪がなくなったわけではなく、いまでも一日当たり約100件の被害が発生しています。(2018年9月での調べ)

アパートの仕様を決めるにあたり、セキュリティに関する設備を検討している方も多いのではないでしょうか?

しかも最新鋭の住宅設備に慣れた方であれば、築年数が古く設備が更新されていない中古物件に不安を覚えるかもしれません。

実のところ、アパートのオーナーが防犯対策を行う義務はありません。

しかしアパートで問題が起これば、入居者が嫌な思いをするだけではなく、後々にはアパート経営にも影響が出てきます

評判の悪いアパートは口コミで広まり、次第に入居者は集まりにくくなります

反対に防犯設備で安心と安全を担保することで、他のアパートとの差別化を図ることが期待できます。

今回はアパート経営において検討するべき防犯対策について解説します

防犯対策がアパート経営に有効な訳

ユーザーがアパートを探すときには、物件サイトで検索を行うことが一般的です。

物件を検索する際の条件として、セキュリティに関する項目を入れられるサイトも少なくありません。

大手の物件サイトで絞り込みが可能なセキュリティの項目として、オートロック・インターホン・防犯カメラ・宅配ボックスなどが挙げられます

セキュリティ意識の高いユーザーに対しては、これらの設備を調えることで検索の対象から外されることは少なくなります

むしろ物件サイトの検索条件で挙げられているような設備があれば集客施策として効果的だといえるでしょう。

以下、実際にアパートで防犯設備が有効に働くケースについて説明します。

防犯カメラ:駐車場に契約者以外の車が駐車されている場合

アパートに平置きの駐車場がある場合、勝手に駐車場に車を停められることがあります。

駐車場を契約していない入居者が勝手に停めるだけでなく、入居者の部屋への訪問者が駐車する場合もあります。

そうなると本来の契約者は駐車場の賃料を支払っているにも関わらず、自分の車が駐車できないというトラブルが発生します。

この様な場合、防犯カメラによる駐車場の映像監視が有効です。

オートロック:一人暮らしの女性が尾行される場合

若い女性が一人暮らしをしている場合、自宅まで尾行される被害が多いです。

夜に尾行をされ、アパートの部屋を特定される場合もあります。カーテン越しに室内を覗かれてしまうことも。

自宅を特定されると、非常に高いストレスを感じるでしょう。たとえ実害が無いとしても、精神的に不健康な状態が続くことが予想されます。

入居者が精神状態を回復するためにアパートから退去してしまう可能性も出てくるでしょう。

窓には厚手のカーテンをつけるなどの自衛手段も有効ですが、共有部分の入り口にはオートロックをつけて不審者の侵入を防ぐ方法も効果があります。

注意喚起:入居者同士で犯罪が起きる場合

窃盗事件などの犯罪やゴミ出しのマナーが悪いといった、入居者同士によるトラブルが起こった場合、加害者はアパートとの契約を打ち切らざるを得なくなる可能性が高いです。

また被害者の方も「治安の悪いアパートには住みたくない」という理由でアパートを解約してしまうことも。

複数の部屋が同時に空室になってしまうと、家賃収入が大幅に下がってしまいます。

入居者同士の犯罪やトラブルを防ぐためには、日々の意識づけや注意喚起を行う必要があります。

設備面を充実させる方法もありますが、ソフト面での対策も有効です。

損害保険:部屋や車にいたずらをされる場合

部屋を荒らされたり部屋の鍵にイタズラをされた場合には、修復費用の負担や責任の所在について借主と貸主の間で相談することになります。

また、駐車場に停めた車を傷つけられる事もあります。

このとき、アパートの敷地内で起きた損害について貸主が被害額を負担することは現実的ではありません。借主の過失で被害が起きた可能性もあるからです。

この様なトラブルを防ぐためには、

  • 防犯カメラをつけて監視を行い、犯人を特定する
  • イタズラされにくい鍵穴に交換する
  • 損害保険に入る

といった対策が有効です。

アパートの防犯対策には何がある?

犯罪やトラブルの種類には様々なものがあるので、防犯対策には複数の施策を組み合わせることが望ましいです。

以下、アパートにおける一般的な防犯対策について説明します。

オートロック

自室の部屋ではなく、建物の共有玄関のドアを施錠するものです。アパートの入居者や関係者以外の侵入を防ぐ効果があります。

また自室に訪問してくる営業の勧誘を防いだり、ストーカー被害を防ぐ効果もあります。

ただしオートロックは万能ではありません。

共連れで侵入する事もできますし、侵入者が解除のノウハウを持っていれば、比較的簡単に施錠を解くことが可能です。

ディンプルキー

防犯効果の高い鍵の代表選手です。

ディンプルキーのピッキングの難易度は非常に高く、鍵のトラブルを解決する鍵屋でもピッキングが困難と言われています。

玄関からの侵入犯行に非常に効果があります。

ただし、ディンプルキーの普及に伴いピッキングに手間がかかる玄関からではなく、ベランダの窓ガラスを割って入ろうとする手口も増えてきました。

玄関の鍵をディンプルキーにしたからといって、不審者の侵入に対しては万能ではありません。

防犯ガラスや防犯フィルムなどの窓の防犯対策とセットで導入しましょう

モニタ付きインターホン・防犯カメラ

証拠が映像として残るインターホンや防犯カメラは効果の高い防犯対策です。

実際にトラブルが起こった時の証拠として、加害者を特定することができます。

警察にデータを提出すれば、早期の犯人検挙にも繋がります。

防犯カメラの設置には設置工事や映像の録画方法を確保することが必要でした。

しかし年々防犯カメラの値段も下がり続け、Wi-Fiで映像を録画することができる製品も普及するなど、防犯カメラの設置コストも小さくなってきています。

また設置工事が難しいのであれば、ダミーカメラを導入する方法もあります

不審者はわざわざリスクを取って、証拠が残る様なことはしません。
ダミーカメラを設置するだけでも、威嚇して犯罪を抑止する効果が期待できます。

防犯対策でアパート経営の収益も安定する

一般的な防犯設備を導入すれば、物件サイトを見て入居を決めた人は「セキュリティ設備の整ったアパートである」と認識するでしょう。

まさか自分が犯罪やトラブルの被害に遭うとは予想していないような人が多いかもしれません。

この様な物件で実際に被害に合うと、入居者は十分にセキュリティが整っていないと判断し、退去してしまう可能性があります。

入居後の退去率を下げるためには、実際の犯罪やトラブルに対して抑止力が働くこと、万が一のことが起こった場合に適切な対応ができるかどうかが重要になります。

セキュリティ設備が充実しているから入居をしたのに実際に被害にあってしまうと、セキュリティのしっかりした物件というイメージが崩れ去り、立て続けに退去者が発生する可能性があります。

現状の犯罪やトラブルの動向を調べて、効果のある防犯対策を行う様にしましょう。

アパートの防犯対策にかけた費用はアパートの資産価値を高めるための支出となり、減価償却費などの必要経費として計上することができます

アパートの資産価値が高まれば入居率の向上にも繋がりますので、積極的に導入を進めましょう。

効果的な対策を見極めてセキュリティを向上させよう

今回はアパート経営において検討するべき防犯対策について解説しました。

問題が起きれば入居者もオーナーも双方被害者となり、精神衛生上好ましくない状況を招くことになってしまいます。

アパートの犯罪・トラブルは実際に被害に合わないと安全意識が芽生えず、後手の対応になってしまいがちです。

入居者の安全と生活を守るためにも、自分が当事者にならないためにも、アパートの防犯設備はしっかりと調えておきましょう。

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