今回は不動産投資の理想的な利回りと計算方法、理想的な利回りを獲得する方法について解説します。
利回りとは、投資で増えた金額の割合のこと。
不動産投資の利回り計算方法は表面利回りと実質利回りの2通りがあり、計算するときには経費などを差し引く実質利回りを使います。理想的な利回りの割合は3~5%です。
理想的な利回りに近づける方法は
- 入居者のターゲットを明確にすること
- 需要のあるアパートを入手すること
- できる範囲でDIYを行うこと
の3つがあげられます。工夫次第で利回りをあげることが可能です。
不動産投資の利回計算方法は表面利回りと実質利回り
そもそも利回りとは、投資した金額に対して帰ってきた金額の割合のこと。
例えば100万円を3年運用して30万円の分配金を手に入れたとき、利回りは10%となります。
利回りの計算方法は2通りあります。「表面利回り」と「実質利回り」です。大きな違いは、経費を計算しているかどうかです。
- 表面利回り:不動産会社がよく使う利回り
- 実質利回り:実際に手取りになるであろう利回りです
収支を間違えると、キャッシュフローがうまくいかないことがあるので見ている利回りが表面利回りなのか実質利回りなのかを考えましょう。
表面利回りはざっくり計算するときに使う
表面利回りとは、不動産取得時の費用を省いて計算する利回り計算方法です。純粋な利回りだけが産出されているので、正確な数値を計算できるようにしましょう。
表面利回りの計算式
想定される家賃収入÷物件の購入価格=表面利回り
表面利回りの計算方法は簡単。想定される家賃収入は、投資で得られる不動産の家賃×貸出す不動産の個数で求められます。
複数の不動産を運用する予定なら、全てをまとめて計算するのではなく不動産別に計算しましょう。
不動産会社の利回りは表面利回り
不動産会社がインターネットなどに掲載している利回りは、表面利回りであることがほとんどです。
不動産会社の利回りだけをみて、購入を決めるのは表面利回りだけをみて投資先を決めるようなもの。
掲載されている不動産を見たときには、表面利回りであるかを問い合せるといいでしょう。
実質利回りは不動産投資のプランを考えるときに使う
実質利回りとは、想定される家賃収入を物件の購入価格と購入時の諸費用で割って計算します。
諸費用がプラスされるので表面利回りよりも利回りが減る傾向にあります。
あとから計算すると「この不動産ってこんなに利回りが低いの?」とショックを受けることがあります。
実質利回りの計算式と諸経費の詳細
実質利回りの計算方法は、表面利回りと比べると考える経費が少し増えるだけです。簡単な割り算で計算できます。
想定される家賃収入÷(物件の購入価格+購入時の諸費用)=実質利回り
実質利回りで計算するべき諸経費は
- 管理費
- 修繕費積立金
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 不動産仲介手数料
などが挙げられます。
不動産投資は実質利回りを重視する
不動産投資では、実質利回りをみて運用します。手元に残る現金を確認しながら、新しい物件取得用の費用を積み立てたり、入居者が退去したあとの原状回復費やリフォーム代を確保しましょう。特に不動産投資をはじめたばかりなら、入手した現金に手をだすのはNG。
会社の給料や現在の収入でやりくりしながら投資を続けましょう。
不動産投資の理想的な表面利回りは3~5%
不動産投資でどのくらいの利回りがよいとされているのでしょうか。理想的な表面利回りは3%から5%と言われていいます。
5000万円の中古物件なら、諸費用等を抜いて年間150万円から250万円の現金収入があれば理想的な利回りだと言えるでしょう。
はじめのうちは勝手がわからず利回りが理想的でない場合もありますが、支出が収入を下回っていることを当面のボーダーラインにしましょう。
利回りのよい物件を見つける方法
不動産投資で利回りを計算する方法についてご紹介しました。理想的な利回りの不動産投資をする際にはどうしたらよいでしょうか。
不動産投資で手取りを増やすなら、割安の物件を購入し、手入れをして価値をあげることが重要です。また駅や勤務先に近い物件を入手できるかどうかも関わってきます。
入居者のターゲットを明確にする
不動産投資で利回りのよい物件を入手するためには、入居者のターゲットを明確にすることが重要です。
不動産投資で狙い目とされているのが一人暮らしとファミリーです。
一人暮らしなら、単身赴任のサラリーマンや上京してきた大学生がターゲットになるでしょう。ワンルームや1Kなどのコンパクトな部屋に需要があります。
どんなに長くても4年程度で退去するので、入居者募集のサイクルがはやくなるでしょう。
一方、ファミリーはカップルや子ども一人の3人構成の場合、2-3LDKに需要があります。外出の機会が多くなるので郊外なら駐車場を完備するとよいでしょう。
また、周囲への騒音対策として戸建てを選択する方もいるでしょう。子どもが独り立ちするまで入居し続けてくれる可能性があります。
そのかわり退去後は使用感が残り設備も汚れているので、リフォームが必須となります。
借り入れできる金額をあらかじめ把握しておく
ターゲットが決まったら、金融機関に行き融資の相談をしましょう。「なぜ物件探しの前に融資の相談にいくの?」と疑問に思うかもしれません。
金融機関の融資は企業のバリューや年収、貯金額により限度があります。年収や貯金額が低すぎる場合、融資をしてくれない場合も。
どんなによい物件でも融資がなければ取得できないので、あらかじめ融資をしてくれる金融機関を見つけて融資を聞いておきましょう。
利便性のよい物件を見つける
おおよその予算が決まったら利便性の高い物件を探します。
はじめての物件探しなら、自宅から1時間圏内のエリアに絞りましょう。物件にトラブルがあった際にいち早く駆けつけるためです。
一人暮らし向けの物件なら駅から歩いて10分くらいで到着できる物件や、周囲にコンビニやスーパーのある物件に需要があります。
複数の駅が集まるターミナル駅の前後をねらうのがおすすめです。
郊外のファミリー向け物件なら、自動車で移動できるので駅に近い物件よりも大型スーパーの近くや通勤先・学校の近くの住宅に需要が集まります。
駐車場を確保できるかが重要になります。
割安の物件を購入してリフォームを行う
利回りを高くするなら、割安の物件を見つけることが重要になります。
建築してから年数が経っていて、設備も古くなっているような物件はリフォームして価値を高めることができます。
お風呂場やトイレなどの水回りは、交換すると一気に清潔感が増すので注力するのがおすすめです。
注意したいのが中古物件が新耐震基準に適合しているかどうかです。
新耐震基準では、震度5強ではほとんど損傷しないこと。震度6や7で倒壊・損傷しないことという基準が設けられています。
地震に強い物件なので運用中に地震が起きても倒壊しにくいというメリットがあります。
新耐震基準は、1981年6月1日からの交付なので、建築確認済証の交付がいつなのかを確認しておくといいでしょう。
できる範囲でDIYを行う
無事にリフォームが終わり不動産運用をはじめられたとしても階段や玄関の角が壊れてしまったり、電球が切れてしまったりと細々したメンテナンス業務があります。
管理会社に全部任せる手もありますが、自分でできる範囲の修繕や交換は自分で行いましょう。
大家さんが直接動いてくれるという安心感を入居者に与えることができます。
また、委託料金を節約できるので利回りをあげることもに役立ちます。
利回りは自分で動けば平均以上も狙える
不動産投資の利回りは、想定される家賃収入÷(物件の購入価格+購入時の諸費用)で計算して3%から5%が理想的です。
不動産投資で利回りをあげるためには、ターゲットを明確にして割安の物件を入手、DIYでこまめなメンテナンスを行うことが重要です。
不動産投資の利回り向上は、いかに自分の手を動かすことにあるので、自分でできる事があれば積極的に動きましょう。